武蔵野点描、令和元年の食料自給率は?

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▽令和元年度の食料自給率が公表された。一応、政府は食料自給率の上昇を目指しているのでその成果は気になる。政府の施策としてではなく、自分たちの食べ物は自分たちで作るという国民意識の変化を期待したいところですが、それはなかなか難しい。一般庶民にしてみたら、野菜や穀物が国産か国外産かなんてことはあまり気にしていないだろう。おそらくは同じ商品が並んでいたとして、どこで生産されたかより、価格を重視するはずだ。地産地消という言葉も浸透してきたけど、国産ということだけでなく、地域で生産されたものを買うという人はまだまだ少ない気がする。

令和元年度の食料自給率はカロリーベースで38%だった。前年より1%の上昇だけど、施策がうまくいったということは見えてこない。小麦が豊作だったことが自給率上昇の理由で、それ以上に年々米を食べなくなってきているというのは深刻な状況だ。小麦が豊作とはいえ、多くは海外からの輸入に頼っている。2018年で小麦の自給率は12%しかない。小麦の自給率を上げられればパン食であろうと穀物自給率はあがる。米は100%に近いのだから積極的に国産の小麦をセレクトしていってほしい。ちなみに生産額ベースの食料自給率は66%だった。

政府は今から10年後の令和12年に食料自給率を45%にすることを目標にしている。達成するのはかなり難しいのではないかと思う。まず、消費者は前述のように国産を好んで食べたいとは思っていない。選んでもらうのはその意識を変えることか、価格を抑えることだ。けれど、価格面では国外産の農作物に現状では勝てない。例えば、すべてを無人化するなどのハイテク化はいずれ可能かもしれないが、効率的な大規模営農は狭い島国では無理だろう。それに耕地面積は1960年から半分近くになっていて、同じように食料自給率も当時の80%近くから半減している。耕地面積を増やし、生産量を増やした所で消費者が買わなければ意味がない。

農林水産大臣は食料自給率を1%上げるために、1日に一口多く米を食べてくれと言っている。いろいろ考えると、たったの一口でも思い切った発言だ。パン食をやめて米を食べようとでも言おうものならパン業界、貿易関係、輸出国も大きく反発するだろう。国産の小麦や米粉のパンを奨励したとしてもやはり価格面で割高になる。経済も落ち込んでいるのだから世間はより安い商品を買いたい。農業や漁業に従事している人は高齢化し、儲からない職業となれば業界に飛び込む人材も限られる。

食料自給率は100%に!そうは思うけど、10年後の45%も難しいとなると、手詰まりだ。

日本の食料自給率 農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html