林点描、死を考える

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▽このブログでも触れたけど、難病患者の嘱託殺人をきっかけに安楽死や尊厳死の議論が始まることに否定的な意見をちらほら聞く。私がよく聞いているラジオ番組のパーソナリティがそういうので、私の感覚がおかしいような気がしてくる。けれど、議論することがダメというのはよく分からない。現実に安楽死や尊厳死が必要だと思っている人は多いという調査結果もある。倫理的にダメだとしても議論することで理解が深まるのだから悪いことはない。まずは何が安楽死で、何が尊厳死かくらいの認識は広まっていいと思う。


嘱託殺人が大きな話題になると同時にちょうど読み始めていたのがこの本。元々死に対して関心が強いので考えは深めていきたい。この本は安楽死、尊厳死に多く触れている。けれど、簡単にどこからどこを線引して結論が出せるわけではないし明示もしていない。国際的な動きだけでなく、日本人の民族性も大事だ。世界的に廃止に向かっている死刑を支持する国民性が安楽死、尊厳死をどうジャッジするのかはとても興味がある。著者のいう死ねない時代というのはどこかチグハグな社会だ。ただただ、一日でも長く生きることが本当に幸せなのかも考えたい。


毎週土曜日は13時から文化放送で田村淳さんがパーソナリティを務める番組を聞いている。お笑いではなく、真面目なニュース番組。昔の田村さんしか知らないので意外だった。そんな彼は現在大学院で学び、その研究テーマは「死」となかなか興味深い。そして発表したのは、動画で遺書を残すというこれまた面白いサービスだ。死というとマイナスイメージだけど、田村さんがいうように前向きに捉えることだって出来る。遺書を書くということも究極的に自分を振り返り、向き合うことになって生きることが充実してくるかもしれない。このサービスは相続を円滑にする遺言ではなく、自分の思いを大切な誰かに伝えるものだ。一般的には手紙なんだろうけど、思いを正確に伝える手段としては動画のほうが適しているような気がする。人間というのは顔を見て、話すことでコミュニケーションをとってきた生き物ですから。田村さんの発表したサービスがどのような広がりを見せるのか楽しみだ。