「「再エネ大国 日本」への挑戦」を読む


▽現代人にとって電気はとても重要なライフラインだ。もはや電気がなければ生活できないともいえる。災害などで停電が起こってしまえば我々の生活は完全に麻痺してしまう。究極的には電気がなくても生活できることが理想だけど、なかなか難しいし現実的ではない。環境のことを考えても電気を使えば使うほど負担がかかる。

原子力発電もクリーンだといわれ普及してきたけど、福島原発事故で一気に下火になった。何事もなく運転できていれば二酸化炭素を排出せず、効率もいいのだろうけど、何か事故が起きた時にはもう取り返しがつかない。二酸化炭素の排出が著しい石炭火力発電も世界中で廃止傾向にある。ただ、日本は使い続けることを宣言しているので化石賞なる不名誉な賞を受けてしまった。海外からの批判はいまだに多い。

この本を読んでいると、日本には原子力発電所も石炭火力発電所も必要ないことが分かる。再生可能エネルギーだけで十分だ。そして既に再生可能エネルギーだけで地域の電力を賄っている事例も多い。しかもそれだけでなく、地域の収入は増え、雇用も生まれ、移住者も増え、観光にも好影響がある。ただ、これはレアケースかもしれないし、成功させるのも簡単なことではない。

地熱や水力や風力などは地域によっては利用できないし、人材というのも重要だ。けど、太陽光発電ならどの地域でも取り入れることは出来る。それに日本には電力需要の1.8倍の再エネ供給力という莫大なポテンシャルがあり、化石燃料の購入に19兆円が費やされていること、火力発電の環境負荷などが周知されていけば地域でリーダーシップをとっていく人も増えていくと思う。大雨も頻発しているし、災害もいつ訪れるか分からないとなると、地域の特性を生かした発電はとても重要になってくる。停電になった時、地域で発電していればダメージを少なくできるかもしれない。

この本ではしっかりとした取材のもと、再生可能エネルギーを導入して成功した事例がいくつも紹介されている。なかなか再生可能エネルギー導入が進まない日本だとは思っていたけど、着実に前に進んでいる地域があることは大きな希望だ。具体的な数字や関係者の声というのもしっかり書かれているのでとても参考になる一冊だと思う。オススメしたい。