武蔵野点描、種の話

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▽東洋経済オンラインのこの記事を読んでとても驚いた。

16歳男子高校生が「種」を売る何とも壮大な理由
https://toyokeizai.net/articles/-/313162

16歳の高校生小林宙さんはその若さに関わらず企業し鶴頸種苗流通プロモーションという会社を経営している。野菜の種を売る会社だ。しかもその種の内容が素晴らしい。伝統野菜であり固定種。

このブログで何度も書いているけど、ホームセンターなどで売られている種はF1品種と言われ1代限りで自家採種はできない。当たり前だと思われるかもしれないけど数十年前まではありえないことだった。確かにメリットはある。厳格に管理され製造された種なので、育つ野菜にバラツキはない。企業側も毎シーズン種の販売が出来るので利益があがる。鶴頸種苗流通プロモーションや私がいつも購入している野口のタネのような種苗店だと自家採種可能なのではっきりいって儲からない。なかなか根深い問題ではある。

野菜づくりの現場もいつの間にか大量生産大量消費のサイクルに組み込まれてしまった。皆さんの自宅の近所に種屋さんはあるだろうか。町の小さな種屋さんは零細小売店と同じく姿を消しつつある。代わりにホームセンターなどの大規模店が販売を担っているのだけど、そうなると全国一律の商品ラインナップになってしまう。鶴頸種苗流通プロモーションが扱うような伝統野菜も当然なくなっていく。伝統野菜が作られなくなってしまえば永遠に食べられなくなる。流通にのせるためダンボールに詰めやすい形の品種が選ばれているという理由もどこか悲しい。

野口のタネがなくなってしまったら日本の伝統品種、自家採種可能な野菜はなくなってしまうのではないかと憂慮していた。けれど小林宙さんのような若い、しかも高校生が危機感を持って企業までしていることはとても心強い。もっと大きなビジネスにして欲しいのだけど、業界的にもなかなか難しいのだろう。これからも副業として続けていくそうで、やめてしまうことがないように考えているようだ。現代の若者らしい考え方だけど、それが正しいような気もする。



なんと本も出しているようでとてもアグレッシブな高校生だ。