武蔵野点描、とろサーモンと中傷と三島由紀夫と

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お笑い芸人のとろサーモン久保田さんが炎上している。
何やらM-1グランプリの上沼恵美子さんの審査に暴言を吐いたそう。
芸人の側からしたら芸人じゃない人間に評価されるのは気持ちよくはないかもしれない。
より視聴者に近い視点からの審査という意味ならそういう人選も必要だ。
誰に対しての漫才なのか、グランプリなのか。
そこも重要な気がする。
審査員の一人である松本人志さんも昔言っていた。
なんでお前なんかに審査されなあかんねんと。
とろサーモン久保田さんより激しい言葉だったと思う。
死ね的な。
そう考えると審査する側に回った松本さんがお笑いに関して素人の女性を審査員に招いているのも不思議な気がする。
差別的な、配慮のない発言も問題にされているけど、芸人なんてそんなものだろう。
見過ごされなくなっているのも時代の変化で芸人さんも大変だ。
ツイッターとかライブ配信で簡単に発信できるようになったのはメリットもあるけどあまりにも無防備だとこんなことになる。
お酒での失敗談で済ましてあげればいいのではないですかね。


ネットで中傷コメントする人の目的は、結局「自己正当化」にあるのではないか。
https://www.huffingtonpost.jp/kanta-hara/internet-life_a_23606733/

とろサーモンの件で多くの人が抗議している。
大体はやりすぎだと思う。
といって私も批判は多いので人のことは言えないかもしれないけど。
今の世の中は直接本人に文句を言うことができる。
とろサーモン久保田さんののツイッターにも多くのコメントが寄せられた。
今のところ謝罪ツイートには4000近いコメントが書き込まれている。
本人も反省しているのにわざわざ文句を言う必要があるのかしら。
おそらく自分が正義の側、正しい側でいることを示したいのだ。
みんなが書いているから私もいいだろうという心理もある。
記事のように有名人を叩くことができて優越感にも浸れるんだろう。
きつい言葉というのははっきりいって暴力だし、不適切な行為をしたからといって暴力を振るっていいとはならない。
何か問題を起こせば何千件も抗議が集まるというのも恐ろしい話だ。
逆の立場になれば自分も誹謗中傷を受ける側にまわる。
この状況は非常にギスギスした、緊張感のある社会を生んでしまう。


いま解き明かされる、三島由紀夫「自決」の謎
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58618


三島由紀夫は何故自決したのか。
はっきりとした理由は分からない。
多くの人が様々な推測をしていることだ。
私も考えることがある。
会ったことも話したこともないので残した著作から判断するしかない。
死ぬことに対して特別な感情と美意識があり死に場所を探していた。
そんな風に思っていたのだけど、ただただ日本に絶望したとも考えられる。
今で言うなら極右か。
それももっと過激で軍国主義のナショナリスト。
自衛隊にクーデターを促すような主張をする人は現代にいない。
三島由紀夫の描いた小説世界とはかけ離れているので切り離したいという気持ちは分かる。
正直私もこの記事を読むまでそうだった。
確かに理解しがたいことが多いけど延長上にあるのだろう。
芸術と同じように制作物だけではなく作家そのものも含めての作品だ。
そして間というか空白、余白を持たせているのが三島作品の特徴の1つ。
自らの死にまで余韻を残すとは流石三島由紀夫である。