川越点描

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前にも書いたけど夏目漱石のこころを読んでいる。
今でも多くの人に読まれている近代文学の名著といっていい。
その理由はなんなのだろう。
先駆的であったり斬新な技法、夏目漱石ならではの独自の強烈な世界観。
そんなものは見当たらないように思える。
いや、この当たり前を築いたのが夏目漱石ということかしら。
私なんぞに分かるはずはない。


この本もそろそろ読み終える。
青春小説であり恋愛小説で物語としては単純に面白い。
何か私の心に残るものがあるかというと、なさそう。
今のように物質的な豊かさはなく、戦争の影もちらつく時代。
それでものんびり、小説の中の言葉を引用すると鷹揚とした空気が流れている。
失われてしまった日本の日常へのノスタルジーでありセンチメンタル。
いや、そんな所に着目するべきではないのかもしれない。
大事なことはタイトルのように人のこころだ。
と言いつつニート的な人間に寛容な世の中の描写に目がいってしまう自分がいる。